ご無沙汰しています。
バレエダンサー・ライター・エンジニアのすみゆうまです。
福岡に移住して、ひと月が経ちました。
最近はここ半年続けてきた仕事に加え、福岡市内でバレエクラスを受け持ったり、シェアハウスの稲刈りや土間づくりを手伝ったり、と忙しさに拍車がかかっています^^;
これが百姓バレエダンサーの決めポーズ— 鷲見雄馬/Yuma Sumi (@yumayeah) October 18, 2018
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> 稲刈りアラベスク <
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Photo by @chiharuh #いとしまシェアハウス#ツナギが俺のタイツ#長靴が俺のバレエシューズ pic.twitter.com/DzbIpiUKco
ライフハッカーのほうでも仕事と休憩のバランスについて書きましたが、いまの個人的な目標の一つは、バレエ・エンジニア・執筆・勉強をそれぞれ「仕事」兼「休憩」として成り立たせて、通常の2〜3倍の勉強/仕事量を実現することです。
たとえば、バレエで体を動かしたら、その休憩として、体を休めながらでもできる、エンジニアの仕事をするというふうな感じです。
いま実際に挑戦してみて一番大変なのは、バレエ(トレーニング)も、エンジニアも、執筆も勉強も、ほぼ独りで続けなければならないことです。
スタジオやジム、オフィスなどに通って人との交流が絶えなければ、気持ちの切り替えもうまくいきますが、現状は仕事=1人なのでモチベーションの維持がめっっっっっっっっっちゃ大変です笑。
例えるなら、バレエ団やバレエ教室でひたすらバレエを練習する生活は、攻略本を見ながら進めるゲームのようなもの。
そして、いま自分がやっているのは、ゲーム機とソフトを組み立てるところから始めるようなものです笑。
- そもそもバレエクラスはダンサーにとって本当に最適なトレーニングなのか。
- バレエ団で働かないと、ダンサーはアーティストとして成長することができないのか。
- そもそもバレエダンサーが本当に犠牲にすべきものって何なのか・・・
こういった素朴な疑問に答えを出すための果てしない挑戦、というわけです。
そんなワークスタイルを支えてくれている存在が、9月から滞在しているいとしまシェアハウスです。
ふつう、社会人のライフスタイルといえば、
「労働空間で人と会って、生活空間はプライベート」
ですよね。
いとしまシェアハウスに移り住んだ理由の一つは、一時的にでも
「生活空間で人と会って、労働空間はプライベート」
を実現するためです。
これも一種の仕事と休憩のバランスですが、日本ではしばしば仕事の融通が利きません。働く場所と時間帯が限定されるので、自分のように兼業をしていて、しかもバレエのようにトレーニングも仕事の一部、というような場合、ほかの仕事からはそれを仕事とみなしてもらえない可能性が大いにあります。
そのため、いまの主な収入源であるエンジニア・ライター業に関しては、場所と時間よりも成果中心主義の会社と仕事をしています。基本的にはオンラインで働いているので、家ではオフラインな交流の場を持とうというわけです。
もちろん、さきほど言ったようにモチベーションの維持は大変ですが、オンラインミーティングを朝7時に入れたり、夜はなるべくパソコンを開かない、などのルールを設けて、健康面でライフスタイルの土台を補うようにしています。
さて、シェアハウスの良いところは他にもたくさんありますが、今日はもう少し、健康と環境の話をしたいと思います。
* * *
いとしまシェアハウスでは、基本「食べる肉は狩ってくる」という原則があります。狩猟免許を持っている方が何人か住んでいて、猟期にイノシシを狩ったり、川でカニを獲ったり、朝早くからアジやイカを釣りに行ったり・・・とその努力にはつくづく頭が下がります。
また、庭では鶏も飼っていて、卵は基本、鶏が産んだものだけを食べています。「夕食は基本みんなで作ってみんなで食べる」というルールもあるので、住人が増えると、当然、卵の分け前は少なくなってしまいます。
そうすると、栄養学的な観点から懸念されるのは、摂取するタンパク質の不足です。ダンサーである自分にとって、これは人一倍に深刻な問題です。
ここで自分が注目したのは、「タンパク質を十分に摂取する」という栄養学の基本の裏側です。それは、
「自然の中で暮らしていたら、タンパク質は簡単には手に入らない」
という当たり前の事実です。
— 畠山 千春 (@chiharuh) October 20, 2018
タンパク質は肉類・魚介類・卵類・大豆製品・乳製品などに多く含まれていて、20代男性の場合、1日あたりの推定平均必要量は50gと言われています。
もしごはんだけからこの量を摂取しようと思ったら、1日あたり約2000gものコメを食べなければいけません。これは大体、どんぶり6、7杯にあたります。
しかも1食で摂取できるタンパク質の量には限度があり、糖質との摂取バランスも大変重要なので、コメだけでタンパク質を摂取するのはあまり現実的ではありません。だから、肉類や魚介類の摂取が推奨されているわけです。
ところがコメと違い、肉は自分の手で作れるものではありません。時には命をかけて、あるいは命を奪って手に入れるものです。肉とコメって、そもそも栄養以前に、自然の中から手に入れる方法とその性質が全く違うんですよね。そんなことは誰もが知っていると思いますが、現に実感できている人は意外と少ないのではないでしょうか。
— いとしまシェアハウス (@itoshimash) October 19, 2018
肉を食べること自体は問題ではありません。生き物として自然な行為です。
そして、その肉を自分で狩ってこないからと言って、肉を食べてはいけない、というわけでもありません。そのために社会があります。
問題は、命を奪ってタンパク質を摂取していることではなくて、社会全体でのタンパク質摂取のバランスにあります。もし仮にあなたがベジタリアンで、肉を食べていなかったとしても、あなたが代わりに食べている穀物を作っている人たちはどうでしょうか? その人たちがいわゆる「健康食品ビジネス」で大金を儲けて、不必要なほど多くの肉を日頃から摂取しているとすれば、あなたは彼らの「肉食」に加担していないと言えるでしょうか?
また、逆にそういった食物を作っている人たちが、日々過酷な労働を強制されているとしたら、どうでしょうか。あなたが自分のために良かれと思ってやっていることは、そのまま社会のために良いことでしょうか?
自分がいま真剣に考えたいと思っている問題の一つが、まさしくこれです。つまり、「一流アスリートの生き方は、本当に人々のためになっているか」というテーマです。
都会の人にとって田舎は非日常。田舎の人にとって都会は非日常。それでいいのかもしれない。— Kooichi Shida (@koo1s) September 26, 2018
非日常を求める現代人にとっては。
じやあ、みんなの日常はどこにある?
たしかに、アーティストやアスリートは人々に夢を与える職業です。ですが、そのアートやスポーツが非常に恵まれた環境下でないと続けられないものだとしたら、自分たちは、人々に与えた夢を現実からさらに遠い位置まで引き上げることで、夢とともに絶望を与えているかもしれません。
そうならないように自分たちを支えているものや社会について考えることも、アーティストやアスリートの大事な使命だと思います。これはしかも引退してから考えればいいものなんかではなくて、むしろ現役の人たちこそが腰を据えて取り組むべき問題なんじゃないかな、と思います。
みなさんはどう思いますか?