交響曲的生活とそのマージン近況

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▲バランシン・プロ

 みなさんこんにちは。5月も早や下旬にさしかかり、バレエ団でもようやく長いシーズンの終わりが見えてきました。

 先週末にキリアン・プロが終了し、この週末はバランシン・プロです。20世紀を代表する振付家ジョージ・バランシン(1904-1983)は、本名をギオルギ・バランチヴァーゼといい、父のメリトン・バランチヴァーゼはグルジアを代表する音楽家でした。ジョルジュ・ビゼーの同名作品(交響曲第1番ハ長調)に基づくバランシンの『シンフォニー・イン・C』は、グルジアバレエ団の芸術監督ニーナ・アナニアシヴィリさんが長年グルジアでの上演を望んでいた作品で、今回が今シーズンの初め以来の2度目の上演になります。

 『シンフォニー・イン・C』の構成はきわめてシンプル。第1楽章から第4楽章までにそれぞれプリンシパルの男女1組、ドゥミ・ソリスト2組を配し、これに各6~8名の女性コールドを加えた、全52名のキャストが1つの交響曲を形作ります。第4楽章では、同楽章のキャストが踊ったのち第1楽章から第3楽章までの踊り手が再登場し、息継ぐまもなく全楽章の踊り手が舞台上に結集する大団円を迎えることになります。驚くべきことに、この作品の原型である『水晶宮』(いわば改訂前の作品)をバランシンは2週間で作り上げており、17才でこの曲を作曲したビゼーもさることながら、天才たちの手腕が遺憾なく発揮された稀代の大作である、ということが言えると思います。

 バランシン作品はバランシン財団によって振付や映像作品が厳しく管理されており、そのほとんどの作品はインターネット上で閲覧することさえできません。おそらく『シンフォニー・イン・C』の全貌を唯一視聴できる動画がこちら。バランシンの本家ニューヨーク・シティ・バレエが1970年代に収録したものだそうです。もしお時間あれば覗いてみてください。ちなみに僕は第4楽章のドゥミ・ソリストを踊ります。


 さて話は変わりますが、つい先日トビリシにもマージナリア第6号が到着しました。これまでは編集時に中身をパパッと読みとおすのが普通で、しかもグルジアの郵便事情(家にまで配達されない、郵便物がたまに紛失する、etc.)を鑑みて雑誌自体の郵送はためらっていたのですが、ハガキなどでなく小包であればわりと短期間で届くことが判明。今号ではあまり編集に携われなかったこともあり、いやはや中身の新鮮なこと(笑)。出版後すぐに読めるのも久しぶり。
 ということで、一念発起することにしました。全企画全文章のフィードバックをこのブログに書いていきます!!フィードバックを書いていくなかで、今後のマージナリアにむけてのアイデアが固まっていけばよいな、というのが目標。今夏、日本に一時帰国するまでになんとか全て書ききって、日本では実際に寄稿者のみなさんと会ったり、次なるプロジェクトにむけて僕自身が動き回れればなと思っています。無論、一介のバレエダンサーが哲学やら科学やらいろんなジャンルの文章を横断することになるので、無茶なことを書くことも少なからずあるかと思いますが、その際はぜひコメントなどいただければ幸いです。というわけで次回ブログはマージナリア第6号独断講評です。お楽しみに。
▲先週のキリアン・プロ。




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